未経験からSEになって3年で感じたリアル【後悔と良かったこと】
「未経験からエンジニアになれますか?」
よく聞かれる質問だ。答えは「なれる。ただし思っていたのと違う部分もある」だ。
文系・非IT出身からSEになって3年が経った。スクール選び、転職活動、入社後の実務、そして今どう感じているか。良かったことも後悔も含めて正直に書く。
未経験転職前のスペック
参考までに、私の転職前のスペックを書いておく。
- 前職:営業職(IT業界ではない)
- 学歴:文系大卒
- プログラミング経験:ゼロ(転職を決める前は一切やったことがなかった)
- 転職時の年齢:20代後半
「完全未経験」というやつだ。
スクールに通った話
転職を決意してから最初にやったのは、プログラミングスクールへの入学だった。
3〜4ヶ月の短期集中コースで、JavaとSQLを中心に学んだ。費用は40〜50万円程度。当時は「これで転職できる」と思っていたが、実際はスクールを出た段階では全然わかっていなかったという感覚が正直なところだ。
スクールで学んだことのリアルな評価
| 学んだこと | 実務で役立ったか |
|---|---|
| 基礎的な文法・構文 | △(入口にはなったが深さが足りない) |
| 課題アプリの作成経験 | ◎(ポートフォリオとして面接で使えた) |
| チーム開発の流れ(Git等) | ○(基礎は役立った) |
| 業務で使うフレームワーク | ✗(スクールで習ったものと実務は別物) |
スクールは「未経験でも応募できるようになるための最低ライン」を作る場所だと思っておいた方がいい。実務で使えるレベルになるのは入社後に積むしかない。
後悔ポイント①:スクール選びを慎重にすべきだった
私が通ったスクールは就職支援もあったが、紹介してくる求人の質がバラバラだった。「スクール提携企業」として紹介される会社の中には、SES企業(客先常駐)が多く含まれていた。
今思えば、スクールの就職支援に頼らず、自分で転職エージェントを使うべきだった。
転職活動のリアル
スクール卒業後、転職活動を始めた。応募から内定まで約2ヶ月かかった。
面接で聞かれたこと(未経験枠)
- なぜITエンジニアになりたいのか
- プログラミングをどうやって学んだか
- ポートフォリオの説明(作ったものの技術的な説明)
- 前職の経験をどう活かすか
面接ではポートフォリオが最も重要だった。「スクールで何を作ったか」を具体的に説明できるかどうかで、面接の手応えが大きく変わった。
転職時の年収
前職(営業職)と比べると、転職直後の年収は10〜20万円ダウンした。これは未経験転職ではほぼ避けられない。
「エンジニアになれば年収が上がる」と聞いていたが、最初の1〜2年はむしろ下がると思っておいた方がいい。上がるのは実務経験を積んでからだ。
入社後3年間のリアル
1年目:とにかく「わからない」が続く
入社後の1年目はとにかくしんどかった。スクールで学んだ内容と実務のギャップが想像以上に大きかった。
- コードレビューのコメントの意味がわからない
- 先輩の会話(技術用語)についていけない
- Gitの運用ルールが会社によって違う
「自分はエンジニアに向いていないのでは」と何度か思った時期がある。
2年目:少しずつ「できる」が増える
2年目に入ると、少しずつ仕事の流れが掴めてきた。タスクを自分で完結させられる範囲が広がり、先輩に頼る頻度が減ってきた。
3年目:ようやく「わかる」が増えてきた
3年目になって、ようやくコードを読んで「なぜこういう設計なのか」が考えられるようになってきた。設計の議論に参加できるようになり、後輩のコードレビューも担当するようになった。
3年経って感じた「良かったこと」
① 在宅勤務ができる
エンジニアへの転職で一番変わったのは働き方だ。前職は毎日出社が当たり前だったが、今は週のほとんどを在宅で過ごしている。通勤ストレスがなくなったことは、年収差を補って余りある変化だと感じている。
② スキルが積み上がる実感がある
営業職の時は「今年の売上」という数字しか残らなかった。エンジニアは書いたコード・作ったシステムが成果物として残る。スキルが積み上がっていく感覚があり、自己成長の実感を持ちやすい。
③ 副業・フリーランスの選択肢がある
エンジニアになったことで、副業や将来的なフリーランス転向の選択肢が現実的になった。技術スキルは「どこでも使える資産」だと感じている。
3年経って感じた「後悔」
① スクールへの投資対効果は微妙だった
40〜50万円のスクール費用に対して、「ここで学んだから転職できた」という感覚は正直薄い。独学+ポートフォリオ制作でも同じ結果になったと思っている。
スクールが有効なのは「強制的に学習環境を作れる人」か「スクールのコミュニティに価値を感じる人」だと思う。
② 最初からSES以外を選べばよかった
最初の転職先がSES企業だったことは、今になって少し後悔している。客先常駐では技術の幅が案件に依存してしまい、自分で学習方向をコントロールしにくい側面があった。
自社開発・受託開発の会社を最初から選んでいれば、もう少し早くスキルの幅が広がったかもしれない。
未経験SE転職を考えている人へ
3年を振り返って、未経験転職を検討している人に伝えたいことをまとめる。
やっておいてよかったこと
- ポートフォリオを作ってから転職活動した(面接で圧倒的に有利)
- 転職エージェントを複数使った(比較することで求人の質が見えた)
- 入社後は質問することを恐れなかった
やっておけばよかったこと
- スクールではなく独学でコストを抑える
- 最初からSES以外の会社を選ぶ(自社開発・受託)
- Linuxの基礎を先に勉強しておく(現場でよく使う)
未経験からSEになることは十分可能だ。ただし「すぐに年収が上がる」「楽になる」という期待は持たない方がいい。最初の2年は辛い。それを乗り越えた先に、じわじわと「やってよかった」という感覚がやってくる。